Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
松田 雅昌; 大沢 明*; 武田 全康; 中村 充孝; Lelivre-Berna, E.*; 加倉井 和久; Chung, J.-H.*; Lee, S.-H.*; 植田 浩明*; 高木 英典*
no journal, ,
CdCrOはスピネル型構造をしており、正四面体の頂上にあるCrモーメント間に幾何学的フラストレーションが存在している。非偏極中性子回折実験を行ったところ、転移温度7.8K以下で波数ベクトル=(0,,1) (0.01)を持つ非整合磁気構造をとることがわかった。転移点においてc軸が伸びて、立方晶から正方晶への構造相転移も同時に起こっている。一次元偏極中性子回折実験により、スピンの容易軸(あるいは面)を調べたところ、容易面がac面であることがわかった。この結果から、基本構造はac面を容易面とするスパイラル構造であることが示唆される。さらに詳細な構造を調べるために、TAS-1に設置されたCRYOPADを用いて三次元偏極中性子解析を行った。その結果、磁気構造が単純な円形のスパイラル構造ではなく、楕円形のスパイラル構造をとっていることが明らかになった。
Heffner, R. H.; 大石 一城; 髭本 亘; 伊藤 孝; Morris, G. D.*; Fluss, M. J.*; MacLaughlin, D. E.*; Shu, L.*; Bauer, E. D.*; Sarrao, J. L.*
no journal, ,
超伝導体PuCoGaは比較的高い転移温度(T=18.5K)と中程度の質量増加(ゾンマーフェルト係数80mJ/mol-K)を持ち、スピン揺らぎを起源とするd波超伝導を示す。この系は放射性を持ち、Puでは2.410年が半減期となる。この系で作成後400日が経過した試料(T=15K)においてSR実験を行い、磁場侵入長の温度と磁場に対する依存性(T,H)を調べ、以前測定した同じ試料における結果と比較しながら報告する。600Oeの磁場中で測定では、どちらの試料においてもT/T0.5の低温域において温度に線形な振る舞い(T)-(0)=bTが観測され、温度係数bは同じ値となった。(0)の大きさは経時変化した試料において約1.8倍増加している。講演ではd波超伝導体における照射効果について議論する。
町田 昌彦; 大橋 洋士*; 小山 富男*
no journal, ,
最近、フェルミ原子ガスをレーザーを使って回転させたところ、渦糸の量子化と複数の同一量子化渦糸の三角格子が観察された。この現象は、理論的同一性から磁場中超伝導体が示すものと酷似しており、原子ガスの渦糸を研究することで磁場中超伝導体の基本的ダイナミクスが理解可能であることがわかる。本研究では、原子ガス系で原子間相互作用を任意に制御できることを利用し、超伝導が室温にまで至る超強結合系の場合の渦糸ダイナミクスを予言する。
坂井 徹; Poilblanc, D.*
no journal, ,
銅酸化物高温超伝導体の面内酸素のフォノン効果をt-J-Holstein模型に基づき、数値的厳密対角化により研究した。その結果、ブリージング・モードのもたらすポーラロン効果により、シングル・ホールの準粒子励起スペクトルのブロードニングと化学ポテンシャルのシフトを引き起こすことが判明した。これらの現象は角度分解光電子分光による観測事実を説明できる。
石井 賢司
no journal, ,
電荷ドープ量が最適濃度にある2つの高温超伝導体YBaCuO(YBCO)とNdCeCuO(NCCO)について、共鳴非弾性X線散乱による研究を行った。YBCOでは双晶のない試料を用いることで、モットギャップ間の励起をCuO鎖とCuO面とで区別して観測できた。CuO鎖の励起は鎖方向のブリルアンゾーン端で2eV付近に強度が集中するのに対し、CuO面内の励起はほとんど運動量依存性を示さなかった。さらに、モットギャップの大きさがCuO鎖ではCuO面よりも小さくなっていることがわかった。一方、NCCOでは、入射X線のエネルギーをバンド内励起が増大する条件に合わせることで、上部ハバードバンドでのバンド内励起を観測することができた。得られたバンド内励起の運動量依存性は二次元ハバードモデルの動的密度応答関数と類似している。
脇本 秀一; Birgeneau, R. J.*; Frost, C. D.*; Kagedan, A.*; Kim, H.*; Swainson, I.*; Tranquada, J. M.*; 山田 和芳*; Zhang, H.*
no journal, ,
中性子散乱により、高温超伝導体LaSrCuOの過剰ドープ領域の磁気励起を調べた。の試料ではっきりと観測された6meV付近の格子非整合な磁気励起が、ホール濃度の増加に伴い、に比例して減少し、の試料において、超伝導の消滅とともに観測されなくなった。これは低エネルギー領域の磁気励起が超伝導に直接関与することを示している。さらに高エネルギー領域の磁気励起をMAPS分光器を用いて調べた結果、高エネルギー磁気励起も過剰ドープ領域で大きく減衰していることが観測された。これらの結果は、SR実験で報告された、過剰ドープ領域で電荷が超伝導相とフェルミ液体相へ相分離するとする仮説を支持するものである。また、過剰ドープ試料と非磁性イオンZnを置換した系の比較から、過剰ドープ領域での超伝導の消滅は、過剰ドープ領域で誘起される常磁性との競合の結果起こることが示唆された。
久保 勝規; 堀田 貴嗣
no journal, ,
近年、電子系において多極子揺らぎによる超伝導の可能性が議論されている。そのようなエキゾチックな超伝導を微視的な観点から明らかにするために、われわれは-結合描像に基づいた軌道自由度のある電子モデルに対して揺らぎ交換近似を適用した。われわれは、軌道に依存した揺らぎと有効ペア相互作用を計算し、Eliashberg方程式を解くことによって、超伝導ギャップ関数の対称性を決定した。特にこの研究では、超伝導に対する結晶場の影響を調べた。さらに、軌道に依存した複雑な揺らぎを多極子揺らぎに分解し、超伝導に対する多極子揺らぎの有効性についても議論する。
Chen, L.-M.; Koga, J. K.; 神門 正城; 小瀧 秀行; 中島 一久; Bulanov, S. V.; 田島 俊樹; Xu, M. H.*; Li, Y.-T.*; Dong, Q. L.*; et al.
no journal, ,
チタンサファイアレーザーと銅フォイルの相互作用を硬X線計測により調べた。硬X線分光とKX線への変換効率()について、パルス幅(60fs600fs),レーザーエネルギー(60mJ600mJ),ターゲット位置を変えて計測を行った。集光強度I110W/cmでは、変換効率は強度を増すにつれ上昇し、最大110が集光強度=110W/cmのときに得られた。集光位置は、集光強度が10W/cm10W/cmの範囲で大きく変えると、2つのX線ピークがあることがわかった。1つは最良の集光点において得られ、もう1つは、そこから離れて集光強度にして10W/cmとなる点である。最近発表された成果と比較すると、それぞれのピークは、異なるエネルギー吸収の機構によって説明できる。さらに、パルス圧縮器の回折格子対の間隔を変えることにより、負のチャープにした場合に正のチャープを与えた場合よりも7倍のX線への変換効率を得た。これらは、真空加熱による効果であると予測され、プリプラズマの制御が相対論的フェムト秒領域でのX線発生の制御の鍵となることがわかった。
Koga, J. K.; Chen, L.-M.; 小瀧 秀行; 中島 一久; Bulanov, S. V.; 田島 俊樹; Gu, Y. Q.*; Peng, H. S.*; Hua, J. F.*; An, W. M.*; et al.
no journal, ,
100TW, 30fsの相対論的強度のレーザーを長いスリットガスジェット(1.210mm)へ集光し、レーザー・プラズマ相互作用により電子を発生させる最初の実験を行った。10mmの、レイリー長の20倍となるプラズマチャネルの形成が確認された。このチャネルの特長として、レーザーの偏向,ホース効果,キャビティの形成が確認された。この長いチャネルの形成と同時にコリメートされた(エミッタンス0.8mm mrad),高エネルギーの準単色電子(70MeV)の発生が確認された。このときの1MeV以上の電子の電荷量は 10nC/shotであり、これは長いチャネル形成の効果によるものと考えられる。
大西 弘明; 堀田 貴嗣
no journal, ,
一般に、電子系ではスピン・軌道相互作用が強いため、スピンと軌道は独立な自由度として記述できず、多極子の自由度が活性となる。本講演では、そうした電子系に発現する多彩な秩序状態を微視的観点から理解するために、-結合描像に基づく一次元多軌道ハバード模型の基底状態について、密度行列繰り込み群法によって解析した結果を報告する。軌道が縮退している場合は、運動エネルギーを稼ぐために遍歴的な軌道が占有されるが、立方晶の結晶場を大きくしていくと、エネルギーの低い局在的な軌道が占有されることになる。両者が拮抗する中間領域では、多極子相関関数の振る舞いから、格子に非整合な軌道状態が実現することがわかった。